朝起きたら顔がパンパンで、まぶたも腫れぼったい。会社に行くのも気が引けるような、こんな顔のむくみは、食生活が原因の一つです。
むくみを解消するために気を付けたい食生活のポイントと、むくみ解消に効果的な食べ物について解説します。
目次
顔がむくんでしまうのはなぜ?
むくみは病気が原因の場合もありますが、多くは一時的に起きている「生理的むくみ」です。
女性にこの生理的なむくみが多く、とくに朝起きたときに顔がむくみやすい人が多いようです。顔がむくむ原因は何なのでしょうか?
「むくみ」ってどういう状態?
むくみは、血液から浸み出した水分が真皮層の内側の皮下組織に溜まっている状態です。
体の細胞は、血管から浸み出した水分から栄養や酸素を受取り、老廃物をその水分中に排出します。このような細胞を取り巻く水分を「間質液」といいます。
栄養を含んだ水分を送り出すのが毛細動脈で、老廃物を含んだ水分を回収するのが毛細静脈とリンパ管です。
動脈から浸み出す水分が、静脈やリンパ管が回収する水分より多くなると「むくみ」が生じます。
むくみの原因は?
動脈には心臓というポンプがありますが、静脈やリンパ管にはそのような「動力」はなく、その代わりをしているのが主に筋肉の動きです。
皮下組織を圧迫する皮膚のハリも一役買っています。
静脈とリンパ管には弁があり、筋肉の動きなどで圧迫されることで、一定方向に血液やリンパ液が流れるようになっています。
間質液の供給が過剰になりやすいのは、塩分の多い食事を取る、お酒をたくさん飲むなどで、血液の水分が過剰になったときです。
また間質液の回収が滞りやすいのは、筋肉の動きや肌のハリが弱く、静脈血やリンパの流れを促がす力が足りない時です。
男性より筋肉が細く、皮膚が薄い女性は、元々むくみが出やすい体質だと言えます。
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顔がむくみやすい生活習慣は?
皮膚が薄い顔はむくみが生じやすく、その中でもとくに皮膚は薄いまぶたは、顔の中で最もむくみが出やすい部分です。
顔のむくみに気づくのは、ほとんどが朝ですね。とくにお酒を飲んだ翌朝はむくみやすく、締めに塩分の濃いラーメンを食べた時などはなおさらです。
また静脈やリンパの流れは重力の影響も受けます。
立っている時は足元に水分が溜まりますが、寝ている状態では頭の位置が低くなるため、皮膚の薄い顔がむくみやすくなるのです。
顔がむくみやすい生活習慣には、お酒の飲み過ぎ、塩分の摂り過ぎなど「食生活の偏り」があります。
運動不足で血行やリンパの流れが滞るのもむくみの原因になります。
顔のむくみ解消に効果のある食べ物は?
体の水分の塩分濃度は、常に一定に保たれる必要があります。
むくみは迷惑な症状ですが、身体の水分の塩分調節のための「安全弁」となっているのです。
むくみは「いずれ回収するが、一時血管の外に出てもらっている水分」です。
こんな安全弁が作動しないようにするには、体液の塩分濃度を調節する作用のある食品を摂るのが効果的です。
体内の塩分濃度を調整する食べ物
塩分(ナトリウム)の過剰だけでなく、カリウムの不足もむくみの原因になります。
ナトリウムは主に細胞外液(血液や間質液)に含まれ、カリウムは主に細胞内液に含まれており、この2つがバランスを取ることで身体の塩分濃度が調節されています。
カリウムはすべての生物に必要なミネラルなので、どの食品にも含まれていますが、豊富に含まれているのは野菜や果物です。
果物でカリウムが多いのは、バナナ、キウイ、アボガド、メロン、干し柿などです。
野菜でカリウムが多いのは、ほうれん草、レタス、トマト、カボチャなどです。豆類、イモ類、海藻類にもカリウムが豊富に含まれています。
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利尿作用のある食べ物
カリウムには利尿作用があり、過剰な塩分(ナトリウム)を体外に排泄する働きをします。
カリウムの他にサポニンにも利尿作用があり、むくみの解消に役立ちます。
サポニンを多く含むのは、スイカ・キュウリなどのウリ科の植物です。大豆などの豆類にもサポニンが豊富に含まれています。
サポニンには利尿作用の他に、抗酸化作用や血中の過剰な脂質を減らす作用もあります。
お茶でデトックス効果!
お茶には、緑茶・ウーロン茶などカフェインを含むものの他に、植物茶、薬草茶などノンカフェインのものもあります。
カフェインには利尿作用がありむくみの解消に効果がありますが、ノンカフェインのどくだみ茶、黒豆茶などにも、むくみの解消に役立つ利尿効果・デトックス効果があります。
どくだみ茶に含まれるポリフェノールの1種のクエルシトリンは、利尿作用が強く、老廃物の代謝を促進するデトックス効果もあります。
血流を促進する亜鉛も豊富に含まれています。
黒豆茶には、ポリフェノールの1種であるアントシアニン、サポニン、カリウムなど、利尿効果、デトックス効果のある成分が豊富に含まれています。
アントシアニンには肝臓の機能を高めて、アルコールの分解を早める作用もあります。
この他に、ハトムギ茶、杜仲茶、ルイボスティーなどにも、利尿効果・デトックス効果があります。
食事の工夫で顔のむくみを予防しよう!
むくみを予防するには、食生活でどのようなことに気を付けたらよいのでしょうか?
食事の塩分を気にしてみる
食事はカロリーだけでなく、塩分量にも気を付けましょう。
日本人の1日あたりの平均塩分摂取量は、男性 11.1g、女性 9.4g(平成25年国民健康・栄養調査)で、厚生労働省が推奨する男性8g、女性7gよりもかなりオーバーしています。
「薄味の食べ物は食べた気がしない」という人もいますが、出汁を利かす、酢や辛味を加えるなどの工夫で美味しく食べることができます。
自炊の場合は、減塩の調味料を使うのも効果があります。
加工品の摂取を減らす
出来合いのお惣菜やスナック菓子は、味の第一印象をしっかりさせるために、塩分が多めになっています。外食の料理にも同じことが言えます。
塩分の摂取量を減らすには、外食をできるだけ控えて、自炊を心掛けることが大切です。
また間食をスナック菓子ではなくフルーツにすると、塩分を減らしカリウムの摂取を増やすダブル効果があります。
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サプリメントを取り入れる
外食などで塩分やアルコールを多く摂った場合は、むくみ対策のサプリを飲んでおくと、翌朝の顔のむくみを予防する効果があります。
むくみに効くサプリに配合されている成分は、上記にもあるカリウム、シトルリン、ポリフェノール、サポニンなどです。
血行を促進するショウガや、腸内環境を良くして便秘を解消する乳酸菌などを配合したサプリもあります。
漢方薬では、五苓散(ごれいさん)、防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)などがあります。
体質に合わせて選ぶ必要があるので、漢方専門店などで相談してから使用しましょう。
むくみの原因やそれを解消する食べ物について解説しました。現代は食生活が便利になり、それによって気づかないうちに塩分を摂り過ぎていることが多くなっています。むくみを予防・解消するために、ぜひ参考にしてください。
- 塩分の摂り過ぎ、お酒の飲み過ぎは顔のむくみの大きな原因
- 塩分を排泄する作用があるカリウム不足もむくみの原因になる
- カリウムは果物や野菜に多く含まれて。特に豊富なのがバナナ、キウイ、アボガドなど
- 豆類、イモ類、海藻類にもカリウムが豊富に含まれている
- どくだみ茶、黒豆茶などのお茶には利尿作用のほかにデトックス効果もある