スキンケアの成果が中々上がらないときは、化粧品の役割や使い方の基本が分っていない場合が少なくありません。
今回はスキンケアの基本中の基本というべき、化粧品の正しい使い方を説明します。
目次
スキンケアのステップと役割
メイクの前の基礎化粧のステップは、1.汚れを落とす、2.水分を与える、3.油分でふたをする、4.紫外線対策、の4つです。
それぞれのステップの役割と目的を確認しておきましょう。
汚れを落とす―クレンジング・石けん洗顔
顔の汚れには、水だけで落ちる汚れ、石けんで落ちる汚れ、クレンジングを使わないと落ちない汚れ、の3つがあります。
メイクは「肌に密着した油汚れ」なので、油分を落とす力があるクレンジングを使う必要があります。
皮脂も油性の汚れですが、こちらは石けんの洗浄力で落とすことができます。
夜にメイクを落とす時はクレンジング、朝は石鹸洗顔をするのは、それぞれを除去するために必要な洗浄力が違うためです。
汚れを落とすステップで大切なことは、「汚れだけを落とす」という意識です。
「古い角質を落とす」と考えると、洗いすぎになりがちです。
垢になる前の角質を落とそうとすると、角質をはがしすぎてターンオーバーのリズムを狂わせることになります。
水分を与える―化粧水・美容液
化粧水と美容液の役割は、肌の表面の角質層に水分を与えることです。
角質層はキッチンのラップフィルムくらいの厚さですが、その水分を保つことがスキンケアの最大の目標と言えるほど大切なことです。
外界の刺激から肌を守る「バリア機能」は、角質に含まれる水分が担(にな)っており、肌トラブルの多くは角質層の乾燥が原因です。
大人の女性の肌は、肌の内側からの水分補給や汗だけでは水分不足になりがちなので、化粧水や美容液で水分を与えることが必要です。
化粧水や美容液は「肌に潤いを与える(=保湿)」のが目的で、水を抱え込む力のある成分が配合されています。
洗顔後の肌は急速に乾燥するので、すぐに保湿しましょう。
油分でカバーする―乳液・クリーム
角質層は薄い膜なので、化粧水や美容液で保湿しただけでは水分を保てません。
保湿の後はすぐに乳液やクリームでフタをする必要があります。
皮脂も肌の水分を守る働きをしますが、水分を保つ力が弱っている肌は、保湿した後に皮脂が分泌される前に乾燥してしまいます。
保湿とカバーは1セットで、カバーを省略することはできません。
紫外線対策をする
紫外線対策は、保湿と並ぶスキンケアの二大目的です。
アイテムとしては、化粧下地やファンデーションなどメイクに属するものが多いのですが、スキンケアには紫外線対策が必須であることを忘れないようにしましょう。
紫外線を大量に浴びるときだけでなく、少量の「生活紫外線」にもガード意識を持ちましょう。
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スキンケアの間違いやすいポイント
習慣になっていると見逃しがちな、スキンケアのよくある間違いとはどんなことでしょうか?
よく落ちるクレンジングに注意
「肌に密着した油汚れ」であるメイクがスッと落ちるのは気持ちの良いものですが、知らずしらずに肌にダメージを与えていることがあります。
クレンジングは大別すると、洗浄力でメイクを落とすオイルタイプと、メイクをクレンジング剤になじませて落とすクリームタイプの2つになります。
素早くスッキリ落ちるのはオイルタイプですが、毎日使っていると界面活性剤が肌の保湿成分を奪って、乾燥肌になるリスクがあります。
少し手間はかかりますが、普段はクリームタイプのクレンジングで、クリームに汚れをなじませて落とすのが、肌に優しいクレンジングです。
毛穴を気にして洗いすぎない
毛穴テープや毛穴パックなどのいわゆる「毛穴ケア」に弊害が多いことは常識になってきまたしたね。
しかしそれだけでなく、毛穴をきれいにしようする洗顔も「洗いすぎ」も要注意です。
毛穴は肌の保湿力が高まると自然に目立たなくなるので、あまり気にしすぎずに「優しい洗顔」を心掛けましょう。
化粧水を浸透させようと思わない
化粧水を肌に浸透させようとして強いパッティングをすると、角質のヘリを剥がして、肌のざらつきや乾燥肌の原因になります。
化粧水を浸透させるために重要なのは、保湿した後にすぐに乳液やクリームでカバーすることです。
化粧水が浸透するのは角質層だけなので、乾燥する前にカバーすることで角質層の奥まで浸透させることができます。
汗の多い季節は保湿力の弱い化粧水を
夏は湿度が高く、肌に水分を与える汗も多いので、化粧水は保湿力が小さめのさっぱりタイプのものが適しています。
保湿力のある化粧水を使うと、汗をため込んで化粧崩れの原因になるだけでなく、肌の水分が過剰になり、擦れたときなどに角質を剥がすリスクがあります。
夏のスキンケアは冬場と変わらず重要ですが、季節に合った化粧品を使い分ける必要があります。
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皮脂が多いからといって「カバー」を省略しない
よく耳にする「隠れ乾燥」というは、皮脂が多くてテカる肌が実は乾燥していることを指しています。
肌がテカるからといって、保湿の後の乳液やクリームでのカバーを省略すると、すぐに肌の水分が失われて「隠れ乾燥」が進行します。
肌は乾燥すると皮脂の分泌を増やして、さらに乾燥するのを防ごうとするからです。
皮脂の過剰によるテカリを防ぐには、保湿した後にすぐに乳液やクリームでカバーするのが有効です。
紫外線対策を「日焼け予防」と考えない
紫外線対策を「日焼けの予防」と考えると抜け穴が多くなります。
すぐには肌を黒くしたりシミを作ったりしない紫外線も、ダメージを少しずつ肌に蓄積させて、5年後、10年後の肌に大きな影響を与えます。
とくにUVAは、曇りの日やガラス越しに室内にも降り注いでいます。
すぐに日焼けの症状が出ないと油断しがちですが、目に見えない紫外線ダメージを肌に蓄積させていきます。
日差しが強い時だけでなく、日が差し込む時間帯は常に紫外線を浴びているものと考えて対策しましょう。
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肌のタイプと化粧品選び
肌のタイプには、脂性肌(オイリー肌)、乾燥肌、混合肌と、普通肌(ノーマル肌)の4つがあります。
それぞれの肌タイプによって、化粧品選びはどう違うのでしょうか?
自分の肌タイプ(肌質)を決めつけない
肌タイプが分れる要因には、生まれつきの肌質によるものと、スキンケア習慣によるものがあります。
生まれつき肌が丈夫なノーマル肌の人も、間違ったケアを続けると、肌の保湿力が低下して乾燥肌になったり、皮脂が過剰になって脂性肌になることがあります。
肌タイプが生まれつきのものではなく、「現在の肌の状態」にすぎないことはよくあるので、あまり自分の肌タイプを固定的なものと考えるのは良くありません。
化粧品は「肌の状態」で選ぶ
化粧の仕方や化粧品選びは、「肌タイプ」ではなく「肌の状態」によって決めるのが正しい考え方です。
肌のタイプが違っても、先ほど説明したスキンケアのステップやポイントは変わりません。
大切なのは、現在の肌の状態を作っている原因を考えて、ケアの仕方を修正することです。
例えばオイルクレンジングで肌を乾燥させているとしたら、クレンジング剤を変えないと「乾燥肌」は治りません。
肌タイプ用の化粧品は頼りにならない?
メーカーが脂性肌用とか乾燥肌用として化粧品を販売することはありますが、実際はその内容に名前ほどの違いがあるわけではありません。
乾燥肌なら化粧水の後に美容液を使う、混合肌なら美容液は部分的に使うなど、肌の状態に合わせて使う化粧品や量を決めるのがスキンケアの基本です。
「隠れ乾燥」で説明したように、脂性肌でも化粧水の後の乳液やクリームでのカバーは必須です。
乳液とクリームの重ね塗りは止めてクリームだけにする、などの自分の肌の状態に合わせた工夫が大切です。
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年齢肌用化粧品は必要か
スキンケアに必要なのは、突き詰めると「水分」とそれをフタする「油分」の2つです。
年齢肌化粧品にはこれに加えて、肌のハリを保つ・シワやたるみを改善する効果のある成分を配合しています。
「年齢肌」といっても人により状態は様々なので、「何歳から何を使い始めるのが正解」という答えはありません。
とはいっても、年齢肌のサインが出始める前に、早めから使い始める事が重要です。
スキンケアの基本の基本について説明しました。
自分肌の状態をよく見て、基本に沿ったスキンケアをすることで、きっと嬉しい成果が手に入りますよ。
- スキンケアの4つのステップの役割と目的を理解しよう
- 保湿の後はすぐに油性化粧品でフタをする
- スキンケア二大目的は「保湿」と「紫外線防止」
- 自分のスキンケア習慣を時々見直して、軌道修正をしよう
- 肌のタイプにこだわらず、肌の状態にあったケアをすることが肝心